あざやかな悪に染まれなかった人間のレビューとなります。
一言でまとめると、良作だけど自分には合わなかった、につきますね。
この作品の出来がどうとかではなく、相性が合わなかっただけかなーと。
好み以外の話だと、当初スキップが激遅でプレイに支障が出るほどだったので(今は改善されたようです)、システムが惜しかったですね。
みんな良い子なんだが自分とは違うグループに属する陽キャ感が凄まじかったです。
あとフルコン後の虚無が凄まじかった。ここは褒めてます！！
記憶があやふやな箇所があるかも。
以下ネタバレ感想
作品が合わなかった人間の感想なので、バスタフェを好きな人は気をつけてください。
・シナリオ
期待していたほどのダークサスペンスじゃなかったーーーー！！！
これは私が悪いです。乙女ゲームに本格サスペンスとか求めた方が悪いな。
思ったより結構みんな軽めなアメリカンな雰囲気で進むんだな！？という印象。
テウタの時を巻き戻す能力やシュウの殺し屋という職業に対して、自分が感じたものより軽い扱いで進むので、テウタが気に悩んで折り合いをつけた後も私だけ葛藤していましたwww
シナリオに関してはモズ>真相>>他ですね。
モズルートはめちゃくちゃ良かったです！
モズがアイビーの悩みに大人として答えるシーンは、バスタフェ1の名シーンだと思ってます。
テウタとモズの恋愛描写も丁寧でお互い少しずつ惹かれ合うのが分かって、一番このカプが好きですかね。
他の攻略対象のルートは、結構ツッコミ入れながらプレイしてましたｗ
あとメインキャラたちが基本仲良しで、対主人公以外でも人間関係の描写が多めなので、ドラマ見ているような感覚なのが新鮮でした。
話題になった真相に関しては、テウタの兄の死の真相がつらかったですね。
アダムは関わっていると思ってましたが、ルカまでとは。
アダムのテウタに寄せる好意とは裏腹の一歩踏み出さない態度から、テウタに後ろめたい何かがあるのでは、と思っていましたが幼馴染2人とも、とは思っていませんでした。
テウタとアダムとルカの友情は、全ルート通して丁寧に描かれていた分、救いの無さを感じてつらかったですね。
テウタとルカには支え合いながら生きていってほしいと思いますが、良い感じに前向きな未来を想像しにくい結末でした。
この3人の誰も悪意がないだけに、何とも言えない後味の悪さです。
正直そこまで登場人物たちに感情移入はしていなかったのですが、この兄ルートだけは3人に入れ込みました。
私は幸せになるかもしれない予感を感じるEDが好きで、BADっぽいのが苦手なので、フルコン後はちょっとつらかった。3人がかわいそうで。
テウタもルカも前向きに生きる姿勢をみせてくれるとは思いますが、あまりにも悲しい展開でした。
衝撃的でしたが、それは3人の友情が丁寧に描かれていたからこそ、だと思います。
正直真相だけシナリオの重みが違ったのでびっくりしました。
ちなみにフルサークルに関しては細かいところ以外は大体察していたので、そうなんだーなるほどで終わってしまいました。
・キャラクター
まじでみんな陽キャすぎん？？？？
裏社会を描くようなシナリオで、こんな育ちの良さそうな男の子たちと恋愛するとは思わなかった。
偏見かもしれませんが、裕福な私立一貫校に通っている男の子たち、っていう雰囲気を全員から感じた。
裏社会に関わるメンバーなのでめちゃくちゃビビっていたら、みんな仲間想いで頭も良く、基本良い子たちでした。
ブラック企業だと思ってたらめちゃくちゃホワイト企業みたいな驚きです。
ただメインキャラ半分以上苦手なのが痛手でしたね。
リンボの行動力や情けがありながらも、恵まれた人間故の想像力や配慮の欠けた言動は、正にメインヒーローだったかと。光のサイコパス感が彼にはありましたね。
相手の望むことより自分のしたいことをしたい！という雰囲気が正直苦手です。
自分の知らないうちに敵作ってそうですが、仕事でなら関わりたいかもしれない。
軽い気持ちで付き合うと大変そう。彼女に器の大きさが求められそうです。
シュウはこう、正直よく掴めなかったですｗ
結構思っていたよりギャップのある不思議な人だった。
あと銃撃つときになんか独特な歌を歌ってたことを覚えている。
テウタのエッセイの書籍化を知らせる手紙の見方が攻略対象ごとに異なるのですが、私は自分の目で確認しなよ派なので、そこで相容れませんでした。
彼なりに信念はありそうですし、思っていたより情の深い人間なのでしょうが、なんかゆるふわな印象でした。
彼にはしっかりした女性が似合うと思います。
ヘルベチカはギャップのない不思議系でした。
思っていたより情の深い人だったのですが、なんかこう、掴めなかった。
彼の容姿に対する見解は頷けます。ビジネスにおいて信頼できますね。
ヘルベチカルートでテウタがシャワーに押し入るシーンなど、テウタの押しの強さが出ているルート展開がちょっと苦手でした。
彼こそメンタルが大仏のように落ち着いた女性が似合いそうです。
私の癒し担当です。
モズは不思議系で一見変わり者の印象ですが、一番この中でメンタルが安定しているイメージです。
一般的な感性から少しずれており、マイペースすぎるきらいもありますが、基本的には思いやりのある好青年でした。
彼がアイビーの思春期の悩みに、思春期を経験した大人として回答するシーンは本当に良かったです。
正直あれだけでも買ったかいがありました。恋愛全然関係ないけど
モズのEDは両想いになったものの切ない雰囲気で終わりましたが、大切な人を失った悲しみを抱える者同士、寄り添って生きていってほしいですね。
真相ルートの後、テウタをそばで支えているのに一番しっくりきます。
彼こそ、この中である意味一番普通の人間だと思うので、物騒なことには極力関わらず、テウタと穏やかに生きていってほしいです。
バスタフェの可愛い担当。
クロちゃんはテウタに対して好意的な反応をするので、それに自然な対応をしていたら、初回は彼のルートになりました。
大人のサポートが必要な子どもですが、人への思いやりの気持ちがある、とてもいい子ですね。
あのままバスタフェメンバーと関わらずに一人で生きていたらろくな目にあってなかったでしょう。
彼に必要なのは父親とか友人とか、大切な人とのコミュニケーションなのでしょうね。
このまますくすく育っていってほしい。
頭も良く行動力もあり顔も可愛いテウタちゃん。
正直切り替えの早さと押しの強さに感情移入は出来ないものの、彼女のような子でないと恋愛に発展しなかったでしょう。
私が陰キャすぎるからか眩しく感じます。
私だったらこわくて攻略対象たちと関わらないので、度胸のある凄い女性だと思います。
やりなおす能力は、めっちゃ使うのこわくない？？？
正直私は見ず知らずの人のためには使えない性格なので、見ず知らずの人でも能力を使って助ける正義感の強い彼女を、尊敬するけど共感が出来なかった。
あとテウタたちが金曜には必ず飲み会をするルールが、「結構難しくないか」とリアルに反応してしまったのが辛かった。
テウタはすごく良い子なんだけど、合わなかったですね。
それがこのゲームにハマりきれなかった大きな要因の1つだと思います。
やり直す時は滅茶苦茶ヒヤヒヤしながらプレイしていました。
それは私が時を巻き戻してやり直す系に関しては、どちらかというとアンチ派だからかもしれません。
やり直したい気持ちはあるけど、気軽にやり直せちゃいけないんだよなあという気持ち。
なので、結構ぽんぽんやり直している展開に対してリスクがないかハラハラしながらのプレイでした。
己の器の小ささを自覚させられた乙女ゲームの主人公でした。
・グラフィック、システム
スチルがぬるぬる動いて、演出面は乙女ゲームの中でも上位に入るのではないでしょうか。
演出面でかなり力を入れていた印象です。
だからこそリリース直後のスキップの重さと相性が最悪なのが残念でした。
長所であるはずの演出がスキップ出来なくて、ストレスが溜まる要因になるという最悪の掛け算が発生してしまった。
スキップが重すぎて、もうスキップ中に他の作業しているレベルだったので、そこも作品を楽しむ上でかなりネックになってしまったのが残念です。
今はスキップが改善されたようですが、今後はリリース直後からスキップの速度に関しては改善されていてほしいですね。
周回前提の乙女ゲームにおいて、この点は長所であるはずの演出と相性が悪くて残念でした。
バスタフェは私には合わない作品でしたが、今時の乙女ゲームをプレイ出来て楽しかったです。
同ブランドが新作出したらチェックしていきたいと思います。
