エモ日記

好きなゲームの感想がメインです。たまに本とかコスメとか

不朽の名作推理ADV 逆転裁判123 感想

およそ10年ぶりくらいでしょうか。逆転裁判123を再プレイしました。

セールの際に買っておいたのですが、大逆転裁判もセットとなっています。

別々でも売られていますが、大逆裁も面白いですし、このクオリティであれば通常価格でもお得に感じてしまうくらいです。あとセットの方が安いし。

store-jp.nintendo.com

当時から記憶が薄れ、真犯人など記憶に残りやすいところは覚えていますが、細かい流れなどは忘れている状態です。

それでも自分で犯行を立証していくゲームならではの楽しさ、登場人物たちのコミカルなやりとりなど、今プレイしても色褪せない名作で、とても楽しかったです。

現実では考えられないような突拍子だと感じるようなことでも、それが受け入れられやすい世界観をつくっており、プレイ後もしばらく逆転裁判の世界に浸っておりました。

推理を間違えてもコミカルな面白いやりとりが堪能出来るのも魅力ですね。

f:id:mocairu:20220612181023j:image

3のゴドーさんのツッコミが冴えわたっていて好きです。

個人的には1が一番犯行を立証していく楽しさがあって、爽快感がありました。

2と3は1に更に話に深みというか、切なさや感動がプラスされていて、特に3の最終話は、シリーズとしても素晴らしい展開のラストでした。

1から20年ほど経っていますがスマホアプリなどでも移植され、ADVというジャンルで今でも人気のあるシリーズとして展開されていて、ADV好きとしてはありがたいです。

まあ、細かいツッコミどころはあったりしますが、それが些細に感じるというか、それを大したことに思わせない勢いや世界観の作り方が上手いなぁと思いました。

グラフィックも1は20年以上前のものですが、令和のこの時代でも受け入れられやすいものかと感じました。スーツは最強。

昔のゲームをたまにすると、グラフィックの古さにたまに耐えられない、ということが残念ながら起こったりするのですが、逆裁はむしろモーションの豊富さなど、弱みというより強みになっているのも素晴らしいと思いました。

BGMも良いですね。追及は特に盛り上がりますし、たまにコンサート行われていますが、名曲が多いと思います。

もしかしたら描写の細かい修正などはあったのかもしれませんが、今プレイしても色褪せない、むしろ今だからこそ尚更感動するものもあって、とても楽しかったです。

人にADVのおすすめとして、逆裁123はよく挙げるんですが、コミカルとシリアスの塩梅も良くて、推理ADVだけど良い意味で気軽に楽しめる、というのも強いです。

 

ちなみに宝塚でミュージカル化されているのですが、見事に逆転裁判を宝塚として演出されているので、ミュージカルに抵抗のない方でしたら、是非観ていただきたいですね。

原作を元に宝塚仕様にストーリーやキャラが一部変わっていますが、ビジュアルやコミカルなやりとりなどの原作の再現度が高く、特に御剣ファンは観てほしい。本当にそこにいるから。

tv.rakuten.co.jp

 

ここからはネタバレ含む感想となります。

 

1では次から次へと予想しない展開がきて、ダレるところがなく楽しみました。

最初のチュートリアルで大体の操作感を掴み、ヒロインであろう千尋さんと事件を解決していくのかと思いきや、次の話で千尋さんが殺されて驚いた記憶があります。

退場かと思いきや霊媒で何度もサポートしてくれて、ようやくなるほどくんがトノサマンの事件を経て成長したと思いきや、今度は対立している御剣が犯人とされてしまいますし。

ジェットコースター展開というか、詰めれるもの全部詰めたフルコースです!!みたいな密度。

1の時点では裁判の際はシンプルなシステムで、私はこの時のシステムが一番好きです笑

蘇る真実の科学捜査は私は作業感あって、ちょっと辛いな~という感じでした。

証言をゆさぶったり、証拠を突き付けて新しい事実が判明していく爽快感は1が一番あったかと思います。

3話のトノサマンの事件では、事件の全容が分かる度に驚いてました笑

事件の意外性という意味では、この話がシリーズ通して好きです。

1は基本的に勧善懲悪で犯人が悪者、という構図が分かりやすいので、良い意味で深く考えすぎず進めることが出来たのも楽しかったです。

 

2では犯人側にも辛い事情があったケースが描かれており、特に未実の場合は彼女自身にも非があるとはいえ、今後の彼女の人生はどうなってしまうのだろうという救いのない展開で驚きました。

今までの行いを考えると、彼女は刑務所にずっといた方が幸せなのかもしれないな、と思ってしまいました。

医療事故はミスであり、おそらくパワハラなどの原因もあったのでしょうが、事故を起こし妹になりすまして、殺人を行い他人に罪を着せようとしていたことで、もう彼女は今回の計画が成功していたとしても、幸せな未来が見えてこないですね。

全然性格の違う妹として生きていきその秘密を背負っていくということは、自分の犯したミスや事故を背負って生きていくことより辛そうな気がしますが、彼女がその道を選んでしまった、というのも分かる気がします。

ここでのキミ子の執念が3で爆発してとんでもない事件を起こしますが、想像以上にとんでもない事件だったのが面白かったです。

 

3話ではミリカに対して殺意を抱いたアクロ、無邪気というか無神経な言動でアクロに憎まれたミリカ、ミリカをそんな風に甘やかしてしまった団長、それらを止めれなかった団員たち、一番人間関係がギスギスしていたようなサーカス団ですが、これからはサーカス団もミリカも成長をしていくのだろう、というラストで良かったです。

下半身不随となり、唯一の身内も意識不明となったアクロからしたら、ミリカにキレてしまうのも無理はないですね。ただし、ミリカは基本素直な気質であり、アクロがきちんと話してさえいれば、ミリカは改めることの出来る人間だったのでは、とも考えられて、尚更団長を殺してしまったことに救いがないですね。

まあ団長が甘やかしすぎているのが一因ともいえるので、団長自身がその罪を受け止めた、という風にもみえるというか。

アクロとミリカは非常に複雑な関係になりましたが、彼らの今後の明るい未来が見えるようなラストでした。

 

最終話では突き抜けるほど悪い犯人で、これまでにないピンチな状況の中、苦しみながらも真犯人を立証出来て終わった後とてもホッとしました。

まさかこんな緊張感のある展開になってくるとは思わず、一番ひやひやと焦りながらプレイしました。1のトノサマンの事件と対比しても面白かったです。

冥ちゃんと御剣の絡みも良かったです。完璧を求められ、必死に検事としてキャリアを積んできた冥ちゃんの弱さを、御剣が兄弟子として発破をかけていく、というのは御剣の成長と隙のないように見えた冥ちゃんの弱さを描いていて良かったです。

シリーズでの展開を重ねていく毎に様々な新キャラが出てきますが、色々インフレ展開のエンタメが多い中、成歩堂と御剣の強さや魅力は随一で描かれているなぁと思います。4については未プレイのため言及しません。

2は色々考えさせられるような話が多かったと思います。最終話で成歩堂が弁護士としての正義か、人質の安全を取るか選択を求められる展開は特に悩みました。

1よりシリアスな展開も加わって、尚更話に深みが増していました。名作の続編として見事に成功していたと思います。

 

3は正直、千尋さん絡み以外の話は好みではなかったんですよね。ただ全体を通しての流れがとても面白く、最終話では泣きました。

ちなみのインパクトは凄かったですね。3の設定資料集でデザキャラに苦労されたらしいと書かれていましたが、それも納得するくらいでした。

成歩堂の新たな魅力も描かれていて、そして彼の人を見る目の確かさも示唆されていたのが面白かったです。

 

2話に関しては、基本関係者あんまり善人ではないな!?という感じで共感せずに終わってしまいました。霧緒さんの元気そうな姿を見られたのは良かったです。

天杉夫妻は根っからの悪い人たちではないのでしょうが、善人といえるかというとかなり微妙な気がします。

3話も悪い人満載で、悪人祭りでもしてるのか??って感じでした。マコちゃんが可哀想すぎる。

 

千尋さんの初弁護では過去の御剣も出てきて、ゴドーの正体も示唆され、そして被告人がまさかの結末を迎えてしまうという、もう色々盛りだくさんで、あの才色兼備の千尋さんの初弁護がまさかこんな展開になるとは…という感じでした。

最終話での霊媒ありきのこれまで以上の予想のつかなさ、そして犯人を告発するのに躊躇うという、3作目でありながら、また新鮮な体験が出来て面白かったです。

そしてまさか冥ちゃんと行動することになり、御剣が弁護側になるのが予想外すぎる。そんなのアリかよって流石に思ったけど、逆裁世界では奇想天外なことも受け入れられやすい世界観を作られていて、驚いたけど受け入れられました。

色々驚く中でも、特に真宵ちゃんが嘘の証言をするというのは、今までのプレイヤーからすると衝撃的でした。証人の嘘を暴く苦労や大変さを成歩堂の傍でみてきた彼女が、犯人を庇うために証言台で嘘をつく、これちょっとショックだった。

でも彼女からしたら母を殺害した犯人でありながら恩人なんですよね。実際ゴドーが殺していなければ、真宵ちゃんが殺されていた可能性が高いので。

最後のゴドーの告白は泣きました。自分の弱さを認め、成歩堂のことを一人前の弁護士と認め、今までの彼の自信ある男としての振る舞いからは予想もつかない苦しみを抱えながら生きていたことが判明した時は、もう号泣。

そしてはみちゃんの背負ったものも大きい。自分が真宵ちゃんの為に頑張っていたことが、実は真宵ちゃんの殺害計画であり、キミ子と真宵ちゃんを純粋に慕っていたはみちゃんからすれば、非常にショッキングな出来事。

姉の恋人が自分を守る意味合いもあったとはいえ、自分の母を殺害したという事件を経験しても、真宵ちゃんは落ち込んだ様子を見せずに、はみちゃんのために強く生きていくっていう真宵ちゃんの強さと優しさが眩しかった。

守るものがある人間は本当に強いですね。あんなことを経験したのに、はみちゃんを迎えにいく真宵ちゃんは、シリーズの中でも最強に輝いていました。

あやめさんも印象深いです。ちなみに協力していたとはいえ、成歩堂を本当に愛していて、彼の人を見る目が正しかったことが分かったのには驚きました。

 

ざっくりですが、1は成歩堂の話で、2は狩魔の話、3は綾里家の話という感じで、関わったメインキャラの話を綺麗にまとめられていて、3では文句なしの素晴らしい完結をしており、本当に面白かったです。