エモ日記

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東京24区 我妻タイガ 感想

他のルートで全く出てこないし知り合いにすらならないタイガ
それも彼の性質を表しているようでした。
このルートは、其扇先生の政治家として大活躍シーンが多くて、恋愛面においてはちょっと余裕のある先生が見れて大満足。
以下ネタバレ感想 公式設定資料集のSSや特典ドラマCDの内容にもふれています。

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わんこのタイガ可愛い~~~~~
唯一の年下の攻略対象としてのタイガの可愛らしさと、其扇先生の年上としての余裕がみえる展開になっており、カプとしては一番好みです。
タイガは其扇先生が大臣にならないと、知り合いにすらならずに全く関わってこないのですが、それがタイガのご主人様を選ぶ性質を表しているようでした。
其扇先生がタイガが仕えるにふさわしい立場と意思がない限り全く関わらない、というのが他の攻略対象とは明らかに異なっており面白いです。
他ルートでは其扇先生がタイガの存在を認識すらしない可能性が高そうです。辛い。

彼のルートは其扇先生に従属する犬ルートと、正式な恋人になる人間ルートに分かれます。
初回プレイ時は、EDロール流れる(正式なend扱い?)人間ルートが圧倒的に好みだったのですが、周回するごとに人間ルートの方が好きですが、犬ルートも好みになりました。
どちらもそれぞれのルートで目立っていた一面が、違うルートでほのかに出ているのが良い。
ちなみにBADはこわくて、あんまりまともに読んでないです。
どのBADも(多分)タイガの不幸な未来を予期させる内容になっており、まじつらい。

タイガが其扇先生の命令を聞くことに性的興奮を覚えているシーンで、タイガ!と其扇先生の声が何回も再生されるのにちょっと笑ってしまったw
公安のお給料がどんなもんかは知りませんが、祖父母に5万円送金しているのは偉い。
ルートに分かれる前にタイガの祖父母に関する人間らしい一面が描写されてるのに、犬ルートを最初に終えた後、おじいちゃんたちの話全然出てこなくない!?となり、人間ルートが気になってしょうがなくなってぶっ続けでプレイしましたね。
最初は結構みんな犬ルートに入りやすいんじゃないかなーと思いました。

犬ルートだと、タイガはSPとして其扇先生を護衛し続けていく展開に。
冷徹なSPの宮丘さんやしたたかな三条総理も大活躍で、サブキャラも光っていました。
三条総理がBLに関わってこなかったのが残念に思うくらい、三条総理は良いキャラしていると思います。
三条総理関連のシナリオが展開されたら是非読みたいですね。
宮丘さんはルートによって印象が変わってくるキャラで、サブキャラの描写も丁寧なのが好印象です。

スーツ姿のスチルが多いので、ビジュアル面は人間ルートよりこっちのほうが好みでした。スーツは良い。
SPとしての動的な立ち絵が多いのが印象的でお気に入りです。
其扇先生の支配者として、光のサイコパスとしての一面が目立つ展開で楽しかったです。
タイガのSPとしてのカッコよさと、忠実な犬としての可愛らしさやいじらしさが出ていて、タイガの魅力が存分に描かれていたと思います。
其扇先生も、大臣としてのしたたかさ、ご主人様としての情の深さが描かれていて良かったです。
正式な恋人と明言はされていませんでしたが、主従プレイを楽しむ恋人のようにみえましたね。
公式設定資料のSSで、ご主人様と犬でありながらもお互いの情の深さが描かれており、思っていたよりも其扇先生がタイガに入れ込んでいるのが可愛かった。
タイガのご主人様としてふさわしくなければ、とタイガを可愛がる先生が可愛い。

タイガとのHシーンでは、突入前のタイガの人間としての自信のなさが垣間見え、ちょっと切なくなりましたが、其扇先生にがっついていたのがなんか安心しました。
人間ルートで描かれたタイガの自分を好きじゃない、という点がこちらでは犬として活躍するのに必要な要素なのかな?
この2人が正式に恋人となる展開も見たいような見たくないような不思議な気持ちに。

タイガと其扇先生が支配者と被支配者という関係において(人間として?)、非常に相性が良いことが描写されており、人間ルートをプレイする上で補足となったのが助かりました。
分岐の選択としてこちらのルートを選びやすいような描写になっていると感じましたが、公式として犬→人間となるようなプレイ順を狙っていたのかな?と思います。

フラーシア人とのクォーターであることや、意味深に描かれていた家族関係には深く触れずにこのルートは終わるため、すぐに人間ルートをやりたくなってしまうのが、上手い作りだと思いました。
人間→犬からプレイした人の感想も聞いてみたいですね。
人間→犬だと、シーン回想やCGの未回収見なければ終わった・・・!となりそうな展開のため、自分だったら一見気づかなさそう。
どちらのルートもボリュームあるからね。

人間ルートでは、タイガがSPとしての任務を外れ、フラーシア人による犯罪グループに潜入捜査する展開に。
タイガの理不尽な目にあっても抵抗なく受け入れる姿勢に、過去どれだけの理不尽を味わったのだろうと想像の余地が多いにあるのが辛い。
まさかの其扇先生が直接潜入捜査に関わる展開に、驚きました。
其扇先生がいくら支配者体質の著しく共感能力が低く常人とは違う精神構造をもっているとはいえ(褒めてます)、大臣という立場の其扇先生が行うにはかなりハイリスクなため、最初ん?となりました。
ですが、犬ルートにおいてのタイガと其扇先生の相性の良さを知っていた為、其扇先生がタイガに入れ込むのは受け入れやすかったです。ちょっと無理あるかもとは思いましたが。
肉体関係を結ぶことには手慣れていそうなタイガが、先生と恋人としてのコミュニケーションにおいて本気で照れており、タイガの今までの不憫さが連想されて可愛いんだけど辛い。
特典CDでは、タイガはキスや性行為は手慣れているくせに、両想いになったのは其扇先生が初めてであることが語られます。
其扇先生がタイガの整った外見とは裏腹の恋愛経験の低そうな態度にふれますが、まあ色々あったんだろうな、多分あんまりいい思い出じゃなさそうなことが…
肉体関係だけ、と割り切れるタイガはあんまり想像出来ないんですが、どうなんだろうな?今後公式でタイガの過去にふれるのかどうなんだろ。
タイガが純情で誠実な青年であるだけに、ちょくちょく感じるタイガの達観した冷めた態度が辛い。
ただどちらのルートでも彼なりの信念が芽生えていくのは良いですね。

潜入捜査を通じてお互いに惹かれ合っていく展開の中、タイガの人間としての成長が感じられるのが、犬ルートプレイ後だと感動しますね。
犬ルートでタイガは其扇先生を仕える価値のあるご主人様と認めて、其扇先生に仕えていきますが、人間ルートのタイガは其扇先生を通じて少しずつ自分のことを好きになっていき、不遇な目に合うフラーシア人のことも助けたい、という気持ちが芽生えていくのが、タイガの人間としての成長を感じられます。
SPとしての戦闘力を示した犬ルートのシーンと対比して、銃や拳は用いず言葉でロン・サイを説得するシーンは、もう保護者的な気持ちで感動していました。
タイガと其扇先生の気持ちがロン・サイとリュウに届いてくれたのが嬉しかったです。
ここは若干ご都合な感じも受けましたが、其扇先生の説得力が激強だったんだろう、ということで納得しました。
エロは、とりあえずタイガが欲望に忠実であることは伝わってきました。
人間ルートはEDの余韻がもう少し欲しかったんですが、特典CDでED後が補完できたので満足です。
特典CDの恋人になった後の接し方は不器用で、エロに関しては非常に素直な態度であるタイガは年相応で、年下×年上カップルらしさが出ていて可愛らしかったです。
こんなに余裕のあるリードをしている其扇先生が見られるのはこのルートですね。

タイガルートは先生が優位にたっていたので、其扇先生の年上としての余裕や魅力が伝わってきて良かったです。
ルート別で其扇先生の様々な面にフォーカスされますが、タイガルートの其扇先生が結構やりたい放題の護衛するのが大変そうな大臣で大変好みです。
政治家としての狡猾さやしたたかさも描写されており、総理もこのルートの其扇先生には満足されているのではないでしょうか。

タイガは冷静な性格や高い身体能力に基づくSPとしての実力とは裏腹に、自己のアイデンティティが不安定な一面が程度の差はあれど、どちらのルートでも描写されていました。
価値あるご主人様の犬として従属することで価値を感じるか、クォーターとしての自分が両親に愛されていた事実を認識するかなど、過程や結果は違えどタイガのアイデンティティは各ルートで確立したのでしょう。
命令に従う=誰かの役に立つということが明確であり、タイガは誰かに明確に必要にされることを望んでいたのでは、と思います。
其扇先生に必要とされることがきっかけで、タイガはアイデンティティを確立したのかな。
祖父母を愛し、愛されている自覚もあると思いますが、クォーターであることが原因で両親に育児放棄されたり学校や組織では居場所がない、恵まれた外見であり気を許した人間には深く情をみせる性格だが両想いは其扇先生が初めて、という彼の人生は手厳しい人生経験が多かったのでしょう。
タイガの今までの人生に想いを馳せるとまじ辛くなるので、どちらのルートでも其扇先生と幸せになってほしいですね。
設定資料集の特典SS読んで、私は案外犬ルートのタイガも人間ルートとは過程が違えど、結構報われて幸せになるんじゃないかなと思いました。
緊張感のある関係を保ちつつも、唯一無二としてずっといるんだろうなっていう。
あとこっちの関係の方がエロに関しては進んでそうですねw

爽やかなBLの風(設定資料集でこんな感じの表現されていた)として登場した石川さんは卑劣ですが、こういった人間も世の中必要なのでしょうね。
総理たちも言及していたように、限度を超えちゃっていたのが本当に残念ですね。
限度さえ越えなければ、世の中に役立つ卑劣な人間としていられたのに。
宮丘さんの人間らしい一面も出てきて、宮丘さんが好きになりました。
タイガのことを良い部下だと思っているのが感じられ、犬ルートでは彼なりにタイガを心配していたんでしょうね。
人間ルートだと犬ルートほど総理が出ないのでさみしかったです。
総理ルートほしい!!!総理が其扇先生を相手にするシーンが全く想像できませんが

攻略対象のルート別に社会問題ネタがありますが、人種差別ということで色々考えさせられます。
日本では日常的に国や人種ごとの差別というのは確かに存在しているな、と最近コロナをきっかけに結構思うことはありました。
リュウやロン・サイ、タイガのような人たちにとっては住みにくい環境であるのはリアルでも確かだと感じます。
フィクションをきっかけに現実の問題を意識するようになる、というのは正にフィクションの醍醐味だと思うので、そういう意味でも完成度が高いシナリオだと感じます。
必ずしも主人公たちが絶対善でも絶対悪でもないと思うので、政治についての考え方は参考程度に、興味がなかった人は興味をもつきっかけになると良いな。

ちなみに、一部修正で内容消えちゃったりしたので読んだ人いたらすみません。
次は白洲都知事!攻略対象の中で1番恋愛の攻略難易度高そうだよね